不定期で行われる、鑑賞会、認定式、懇親パーティーの模様をレポートします。
7月18日(金).・19日(土)に京都南禅寺別邸『桜鶴苑』にて地唄舞いの世界を堪能してまいりました。
都のにぎわいから離れた東山・南禅寺内に構える桜鶴苑。四季折々に彩りを変える1,200坪の美しい日本庭園は、無隣庵・平安神宮・円山公園など数々の国定名勝指定庭園を手掛け、近代造園の先駆者とされる“植治”こと7代目・小川治兵衛によるものです。古の雅やかな和と、スタイリッシュなモダンとが調和した空間で、特別なひとときを過ごして参りました。
地歌舞は本来劇場用として発達した舞踊ではなく「座敷」という 比較的近くで鑑賞できる空間で舞われる事を目的にしてきました。 いわゆる「気」を感じあえる中で「舞」を共有する・・というものである事から、動きも「歌舞伎舞踊」(いわゆる一般に「日本舞踊」と呼ばれているもの)のように大きく誇張したところはなく、あくまで「人間の自然の動き」を基本にして創られています。
基本姿勢としては「歌舞伎の所作」よりも「能」の動作に近いものといえるでしょう。実際に、能の影響を強く受けながら完成されてきた古典芸能です。地歌がまだ三弦(三味線)が無い室町時代に琵琶の演奏のよって始まったことから、舞もその頃から始まったと考えられます。*明治以前には「地歌舞」とは言わず、 単に「舞」と呼ばれていました。
地歌舞古澤流宗家二代目家元。「地歌舞」を継承し「御殿舞」も修め、古典の発展と普及に努めている。
古典以外にも数々の実験的活動も重ね、独自の舞の世界の構築をめざす。 世界遺産の清水寺奥の院拝観記念奉納、伊勢神宮奉納舞八回と宇治橋記念行事の奉納、秋田デザイン会議、カーネギーホール、フィレンツェ・ベッキオ宮殿、スウェーデンのシンスカッテベルグ電子音楽祭、ドイツ・ブレーメン音楽祭、ポーランドのマルボルク城など国内外の派遣招聘公演、奉納公演多数。グリーンリボン賞、大阪芸術祭賞、京都芸術賞等受賞。関東と関西に稽古場を開設。「舞体操」考案。2001年より「源氏物語五十四帖」を舞に作品化する[源氏舞五十四帖」を手がけ、源氏物語千年紀にあたる2008年に全編を完成。2009年8月より「雪百景」100回の公演を計画、展開している。
何処までも追い求める清姫、源氏の恋心をさらりとかわす朝顔
今年の観賞会は「地歌舞」というもので、私は初めて拝見しました。静かながら力強い動きと、内なる感情を感じさせる舞(演目は源氏物語の一節でした)と三味線とうた、またアフリカの楽器を基に独自で作られたという心地よい音を奏でる楽器のよる音楽も魅力的でした。
お料理も旬の材料をふんだんに使った夏らしいもので、目と舌で夏を美味しく味わい、楽しいひとときを過ごす事ができました。